(トラナビ)

エリート選手のレースを見ると、ハイスピードで泳ぎ、駆け抜けていく様子に驚くばかりだが、実は緻密な駆け引きが行われている。その技を知り、自分の参考にしたい。

エリート選手のレースは見どころがいっぱい

加藤さんにエリート選手のレースの見方について聞いた。
「まずスピード感が全く違うことに驚かれるでしょう。エイジグルーパーの方だとバイクやランは自分のペースで走るのですが、エリート選手は集団泳、集団走でポジション取りも重要になります。」

現役時代、スイムで他の選手との接触を避けるため、最短距離ではなく少しブイから離れたところに位置を取ることもあったそうだ。
「バイクではドラフティング(集団走行)が可能なため、前の人を風除けにしたり、揺さぶりをかけて抜け出そうとしたりと、様々な戦略でレースを展開しています。選手の中にはバイクパートをチームプレーで戦うケースがあるほどです。」

以前はバイクパートを重要視する選手が少なく、ランで勝負する展開が多かったと言うが、現在世界で活躍しているエリート選手には、陸上競技から転向した選手が目立つ。
「ランパートは陸上大会並みのスピード感で競われるため、最近はバイクを重要視し仕掛ける選手が増えてきています。」

ぜひ、バイクのレース展開に注目して観戦したい。
「選手の戦略が垣間見れますし、出場選手の顔ぶれやコースレイアウトによっても全く違うレース展開が繰り広げられるので、目が離せません!」

最後にパリオリンピックの見どころを聞いた。
「(パリオリンピックの)会場の特徴として、潮の流れが強いこと、石畳のコースが挙げられます。
石畳は想像以上に体力と精神力が削られるため、速さよりも、戦略的で、かつタフであることが求められることでしょう。
また、観光名所を走るため、テレビからパリの風景も楽しめそうです(笑)そんなところに注目してみてください。」

自分のレースにはどうやって生かすのか!?

  • ●潮の流れや風を見て、流されそうなときはブイを目印に
  • ●俯瞰して自分の位置を把握する癖をつける
  • ●他の人とぶつからないように、上手な人の泡を後ろで見ながら泳ぐ
  • ●バイク、ランが得意な人は、あえてスイムでは全力を出さない
  • ●バイクは全力ではなくペースを守る
  • ●ランのために足を残すのも大切
  • ●制限時間を気にして焦らないこと。
     心拍数を守って
  • ●水分補給はしっかりと
  • ●エネルギーだけではなく、カフェイン系や足がつる人はマグネシウム系なども摂取
  • ●ランの補給は胃が揺れて辛くなるという人は、バイク中にエネルギー補給を

スイムでパワーを発揮するのが課題です
 

    Profile
  • 岩本 敏選手(--
  • いわもと さとし
  • セクダム所属
    2023年の日本トライアスロン選手権では 2位という好成績を残した実力派。

スイムでは、強い波や集団泳での周囲とのバトルに潰されないように力強く泳ぐため、パラシュートをつけてパワーを上げる練習にも取り組んでいます。バイクは周囲の駆け引きによるペースの上げ下げに慣れるメニューに力を入れています。ランは得意種目なので、そこを活かして楽に走れるようにトレーニングを積んでいます。
去年の日本選手権では、徹底的にバイク強化を行ってレースに臨み、準優勝することができました。
今年からセクダム所属となり、ますます練習に励んで 2028年、2032年のオリンピックを目指します!

弱点は何かを自分で考え、専門家に動きを確認してもらう。その繰り返しでレベルアップします。


今後はワールドカップオリンピックを目指します

    Profile
  • 小原 北斗選手(**
  • おばら ほくと
  • セクダム所属
    高校生の頃から頭角を現す。2023年の日本スプリントトライアスロン選手権優勝。

高校は、陸上部の長距離に所属していたので、ランは得意種目です。スイムが課題だと思っているので、安定してレースで第1集団に乗れる位置で上がれるような力を付けていきたいです。
昨年5月のアジアカップスービックベイ大会で、バイクで大集団から抜け出し海外の選手と 2人で逃げたことは忘れられません。挑戦できたことは、最高の経験になりました!
今後はワールドカップ、ワールドトライアスロンシリーズの出場を目標とし、それが実現すればオリンピックが近づいてくると信じています。

練習とレースでの目標設定をすれば、日々、自分が何をしなければならないかが明確になります。

競技と人に魅了されトライアスリートを応援!

株式会社セクダムは、鉄道施設や列車内・ビル・ホテル・銀行・マンションといった場所に常時駐留または巡回し、旅客案内、バリアフリー対応、盗難予防、危険物の持込み防止、火災、不法侵入者の排除及び防止並びに避難誘導に当たっている警備会社である。また、長年トライアスリートを支援していることでも知られていて、所属選手以外にもサポートしてきた選手は多数。
そのきっかけは、竹下年成氏が、1995年の前職時代までさかのぼる。
「私自身はマラソンを走っていたくらいで、トライアスロンをやったことはないんです。でも一流の選手たちの練習に参加させてもらったことがあり、それが楽しくて。トライアスロンは個人競技ですが、仲間をとても大切にする人が多い。そんなところにも惹かれて、応援し続けています。」
セクダムでの仕事は時間の調整がつけやすい。エリート選手だけではなく、仕事と両立したいアマチュア選手の雇用や大学生トライアスリートもバイトとして広く募集、応援をしている。

トライアスロン支援のきっかけとなった、チームブレイブの八尾彰一コーチ
相談役 竹下年成さん
田山寛豪コーチと流通経済大学トライアスロン部の学生さんとの、年 1回の焼肉パーティ